火力が強いのでは?
夫がカレーやシチューを作ると私が作るものに比べて「もったり」している。とろみが多いと言えばよいのだろうか?
ジャガイモが溶けている? それとも水が少ない?
スプーンですくうジャガイモは柔らかいけれど煮崩れたというほどではない。水の量を確かめたけれどルーの箱に記載されている通りの分量を入れている。けれど同じ鍋で、同じルーで、同じ量の水で作っているのに夫が作るともったりする。
夫婦で「不思議だね」と言い合っていた。
そんな今日。私は夫の作ったハヤシライスのルーを温めた。いつものように私が作るよりもったりしているルーの入った鍋をガスコンロの上に置いて火で温める。鍋がぐつぐつ言い始めたところでかき混ぜると底が焦げている。
鍋の底、よく焦がしてるけど今日はいつもより焦がしてるな~。この鍋は底が薄いタイプで本当はパスタや野菜を茹でる用に使って欲しいな。煮込み料理用に底の厚い鍋があるのにな~。ああ、でもその鍋でよく吹きこぼすからこっちを使っているのかな?
何て思った瞬間、一つの憶測が閃いた。
もしかして作る時の火力が強い? そのせいで夫の作るカレーやシチュー、ハヤシライスは水分が飛んでもったりしているのでは?
そこからは、もう自分の憶測を補強するエピソードしか思いつかない。
だからいつも鍋の底に焦げがついているし、しょっちゅう吹きこぼすのかな? うん、料理している時に何度か火が強いと言ったこともあったね。
とりあえず夕ご飯の準備をしながら考える。
さて、このことを夫に言うのか言わないのか。いや、すごく言いたい。けれどもなぁ。
満月は滅多にない?
2023年9月29日(金)。
中秋の名月ということで月見をしようと家族で外に出た。
私の地元は晴れていて、暑くもなく寒くもない。虫の声もよく聞こえる。まさにお月見日和。
丸い月のまぶしいくらいの光を見ながら「めったにない満月だ!」とはしゃぐ子どもに「めったにないなんてことはないでしょう」と返して自分の間違いに気付いた。
子どもの頃、習った月の満ち欠け。あれ、満月の日って月に一度だったか。
スマホで検索してみると月の満ち欠けは約29.5日と出てきた。
そうか、満月はほぼ月に1回。1年にたった12回なのか。曇りや雨で満月が見られない日があることも考えると見ることができる回数はもっと減る。ちなみに次に中秋の名月が満月になるのは7年後とのこと。
満月は滅多にないものだった。そして今夜の中秋の名月はなかなかに貴重なものだった。
なるほど。子どもの感覚が正しい。では何度も満月を見たと思っていた私の感覚はどこから来たのだろう。
ああ、もしかしたら年齢を重ねたからなのか。だって年齢かける12回のチャンスがある。天候が悪くて満月を見られない月があったとしても例えば年に平均6回、満月の日が晴れだったとして年齢を掛け算したら20歳までで120回満月を見ることができる計算。いや、待て。物心つく前はノーカンだ。だとしても100回くらい。ほ~ら、こうなると滅多にないって感覚は鈍ってくるよね?
と、まあ、あれこれ考えたところで言い訳にすぎない。
年齢と共に鈍った自身の感覚に気付かされた秋の夜だった。
うん、月見団子代わりに近所の和菓子屋さんで準備したみたらし団子が美味しい。